2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「醤油呑み星人の音声」

醤油呑み星人の意外にも優しい言葉におもわずどきりとした。口を開けば憎まれ口しか叩かないと思っていたら、人を気遣うことも出きるんじゃないか。いや、まぁ、それでもあの踏めば床が抜けそうなボロアパートに、はい喜んでと寝泊まりする気にはなれなかっ…

「醤油呑み星人の考証」

なんといっても鼠やゴキブリでさえ、思わず逃げ出しそうなボロ屋敷に住んでいる醤油呑み星人である。紆余屈折がありながらも、今こうしてこのコンビニでアルバイトをしているのも、その前は駅前でティッシュ配りのアルバイトをしていたのも、金に苦労してい…

「店長、醤油呑み星人を呑みに誘うよう誘う」

カウンター奥の準備室でそそくさと着替えると、俺はすぐにカウンターに出て仕事に取りかかった。学校帰りの学生たちのために、肉まんとフライドチキンを用意して、講義が休みなのかそれともそもそも大学に通っていないのか、大学生風の男に煙草を売り、何を…

「味噌舐め星人の丁稚」

根元まで吸いきった煙草を携帯灰皿にねじ込む。そうして何もせずに更に五分ほど俺は扉の前で待ったが、ミリンちゃんは扉を開けてくれなかった。やれやれ、しかたがないねと、俺は諦めて扉に背中を向けると、階段を降りた。どうしたい、痴話喧嘩でもして追い…

「魔法少女風味ミリンちゃんは、口の減らない策略家だ」

おい、待てよミリンちゃん、それでいいのか、それで本当に良いのか。ストーブはまだ壊れたままなんだぞ、俺が買ってこないと、暖房器具はその部屋にないんだぞ。大丈夫ですよ、最近はインターネットで簡単にお買い物できるのです。親切なお店だったら、お家…

今週のお題

積んでるゲームを崩すかなぁ。といいつつ、多分だらだら寝てすごしてると思います。 就職活動でまとまった時間が取れないので、せっかくなのでゴールデンウィークになにかしたいのですが……。 それよりも内定取ることに必死にならないと。 あ、ちなみにまだ内…

「味噌舐め星人の選挙」

倉庫に戻り鍵を開ける。相変わらず、ちゃんと管理されていないアパートの倉庫は、ちゃんと管理されていなかった。見事に原型を止めていない粗大ゴミが溢れかえっているそこに、まだ辛うじてなにか分かるストーブを放り込む。長居は無用とばかりに扉を閉め鍵…

「味噌舐め星人の捕捉」

生憎な事に、学校を卒業してから結構な年月があり、学校で習った技術分野に対して仕事で携わっていたこともない俺には、電気ストーブの直し方など分かるはずもなかった。右へ左へと、勢いよくハロゲンヒーターの首を揺らして分かったのは、どうにも、これを…

「味噌舐め星人の内助」

お姉ちゃんさんお姉ちゃんさん、酷いお兄ちゃんさんが帰ってきやがったのです、私たちを苛めに帰ってきやがったのです。まだ目も半開きなら、意識も半開きな感じの味噌舐め星人の肩を揺すって、ミリンちゃんは大声でそう言った。苛めに来たねぇ。どちらかと…

「魔法少女風味ミリンちゃんは、人騒がせな家出娘だ」

おい、これはなんだよ、このナップザックは。もしかしてミリンちゃん、これ、お前のか。やけに荷物が多いじゃないか、何を詰めてきたんだ。言いながらなんだか嫌な予感がするのを俺は感じていた。何って、着替えのお洋服に決っています、お兄ちゃんさんは服…

「魔法少女風味ミリンちゃんは、実の兄に向かって酷い言い草だ」

急行と普通電車を乗り継いで、なんとか俺がアパートにたどり着いた頃には、辺りはもうお昼と言っても良いような明るさになっていた。携帯電話で時刻を確認すると十一時。バイトの時間までは、昼寝をする余裕もない。せめて昼飯くらいは一緒に食えるだろうか…

「佐藤女史の朝餉」

はたして、俺と砂糖女史との間に何があったのか。彼女に俺が何をしたのかは、そろそろ三日目にさしかかろうとしている酒の影響か、今ひとつ俺には判別がつけられなかった。俺は気持ちよく眠る彼女を起こさないように体の上からどかせると、極力音を立てぬよ…

今週のお題飼ったことないけれど犬派かな

基本的に、自分には動物の世話をする能力がないと思ってるので、動物の類は飼ったことないんだけれども、飼うんだったら猫よりも犬かなぁと思っています。 理由は猫に昔引っかかれたことがあるので。トラウマってほどじゃないですけど、それ以来猫はあんまり…

「砂糖女史の吐息」

砂糖女史の人差し指が、射精したばかりのそれの裏側をなぞった。先ほど俺が放った精液と彼女の唾液で湿った指先は、硬くそそり立つ俺の分身の上を軽快にすべり、やがてチャックの門をくぐって、その根元、鬱陶しく生い茂った毛に覆われている、小袋へとたど…

「砂糖女史の手管」

戸惑いに満ちた砂糖女史の視線が、俺の股間に落ちていた。酒の力に溺れて、あがきながらも、彼女は俺の股間に慄然と聳える男性の象徴に対し、畏怖の念を覚えるのを忘れはしなかった。彼女の喉が鳴る。彼女を見上げる体勢の俺には、その喉をねばっこい唾液が…

「塩吹きババアは煽情する」

明滅を繰り返す視界と思考。蛍光灯のように、高速で夢と現実を切り替えている俺には、知覚する以外の行動、おおよそ能動的なことはいっさいできなかった。なので砂糖女史の誘惑に対して、抗うことも、承諾することも、今の俺にはできなかった。そして、した…

「砂糖女史の千鳥」

味噌舐め星人との会話が終わると、俺は携帯電話をもとあったように枕元に置くと、もう何もするつもりにもなれず目を瞑った。瞼の裏を覆っていた眠気は、耳から入り、脳を経由して送られてきた、味噌舐め星人の陽気な声によって乱雑に掻き回されてはいたが、…

「味噌舐め星人の直訴」

十秒も立たないうちにまた電話が鳴った。液晶画面を見れば、かけてきた相手はやはり魔法少女風味ミリンちゃん。着信ボタンを押すと出てきたのはやはり声を荒げて怒る味噌舐め星人だった。どうして電話を切るんですか、どうして勝手に切るんですか。お兄さん…

「味噌舐め星人の連絡」

佐東匡の公式サイトを一通り見終えた俺は、携帯電話を枕元に置くと、布団を肩まで被り、ぶら下がっている電灯の紐を引っ張り部屋の電気を消す。昨日の夜からずっと眠りっぱなしだったが、まだ体内に酒が残っているのだろうか、それとも習慣的もしくは周期的…

今週のお題マイ・ミュージック

過去にどんな洋楽聞いてるか系は、以下の記事で書いてる。 洋楽のお話 - neet? pooh? student? 最近のオヌヌメ洋楽 - neet? pooh? student? 俺と最近の洋楽 - neet? pooh? student? 日曜日はおやすみの日 - neet? pooh? student? 洋楽リフレイン - neet? poo…

電撃には間に合いませんでした

来年の電撃に向けて、あれはブラッシュアップをかけておくことにする。 一応全部書き上げたんだけど、オチが不満。非常に不満。 せっかく佐藤先生のネタを引っ込んどいて、ノータッチというのは余りに酷い。というか最後にヒロインが、「あれは後書きまで読…

「砂糖女史の鏡体」

本物ですよ。その証拠に、ほら、佐東先生のサインが入ったプロフィール画像が表示されているでしょう。トップページのプロフィールの欄に表示されているのは、四百字詰原稿用紙に書かれた、佐東匡のサインだった。この無駄に自己主張の少ない筆致は、間違い…

「砂糖女史の哨戒」

厚さ的にはたいしたことのない本だったので、俺は『メイド・イン・アンダーグラウンド』を、一気に読みきった。どうやらこの小説はかなりの長編らしく、手にしている本はその第一巻に当たるらしい。再来月には新刊を、同人誌即売会で発売する旨が、奥付の更…

「砂糖女史のメイド・イン・アンダーグラウンド」

俺が待望した佐東匡の新作は、のっけからセックス描写で始まっていた。 口の中に導いたペニスを頬と下と喉を使って締め上げる。彼は情けない声をあげた。女の子のように、止めてヤメテと呟く、彼。皮をかぶった男性器は、生殖をするのはまだ無理だと暗に主張…

「砂糖女史の執心」

再び目覚めると、部屋の中はもう薄ら暗くなっていた。夕日がカーテンの隙間から侵略し、部屋に一筋の赤い線を描き、冬の夜の静けさの兆候とも言うべき、なんとも抗いがたい気だるさが部屋には満ちていた。どんなに健全な人間でも、ふと辺りの静けさに憂鬱に…

応募原稿『タイトル未定』21,22,23,24,25ページ

ニィ、ニィと、何物かがちゃぶ台の下で鳴いた。靴下の裏をくすぐる感触に再びちゃぶ台の下を覗くと、白黒のぶちねこが僕の靴下を舐めている。ダメダメ、そんな所を舐めたら汚いよととっさに小さな彼を抱き上げると、僕は膝の上にそっとおろした。心地よいふ…

「砂糖女史の歌唱」

それじゃぁよろしく頼むぞと、ミリンちゃんとの会話を終えて電話を切ると、水を手にした砂糖女史が部屋の入り口に立っていた。どうやら、俺が会話しているのに気づいて、物音を立てまいと入るのを戸惑っていたらしい。もういいよ、終わったからと俺が手招き…

応募原稿『タイトル未定』20ページ

「ねぇ、東くん。貴方本当の本当に、変な薬を飲んだとかじゃないのよね」「飲んでないと思う、たぶん。もしかしたら気づかずに飲んだかもしれないけれど、自分が気づく範囲では変な物も食べてないし、飲んでもいないよ」 そうよねぇ、と、櫛田さんはため息混…

応募原稿『タイトル未定』19ページ

『絡み付く包帯、すなわち僕抽出、僕ソーベル処理』 図書館に行って分かったこと、それは、透明人間という存在を扱った小説というのは、僕が思っていたのより遥に少ないという事だった。カウンター横のスペースに設置された蔵書検索端末に、とうめいにんげん…

「魔法少女風味ミリンちゃんはやっぱり暇な芸能人だ」

なんですかお兄ちゃんさん、迷惑ですから電話なんてかけてこないでくださいお兄ちゃんさん。急用でもかけてこないでくださいお兄ちゃんさん、親が死んだらこちらからかけるので大人しく待っていてくださいお兄ちゃんさん。電話に出るや不機嫌さを隠しもせず…