2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「味噌舐め星人の茫然」

間の長さに耐えられなくなって唾を飲み下した。自分の部屋の前に立っているだけだというのに、訳の分からない緊張感に俺の体は強張っていた。 この扉を開けて、部屋の中を覗くのが怖い。何故怖いのかは分からない。強いて言うならば先ほどの映画と同じだ。間…

「味噌舐め星人の反故」

クライマックスが近づいてくるにつれて、味噌舐め星人もどうやらこれが作り物のお話しであることを理解してきたらしい。いつの間にか俺から離れた彼女は、布団をかぶりならテレビの正面にちょこんと正座して、食い入るようにして映画を見ていた。あれほど怖…

「味噌舐め星人の震撼」

スターシップトゥルーパーズは何度見ても酷い映画だったが、何度見ても面白い映画でもあった。人外の敵と戦うというのは見ていて少しの罪悪感もないし、彼らが無慈悲に仲間を皆殺しにしていく様は、皆殺しにされる側に存在する生命体としては、とても恐ろし…

「味噌舐め星人と洋画」

ちょうど皿を洗い終えるタイミングで、クイズ番組のエンドロールがテレビに流れた。あぁもう、お兄さんが遅いからですよ、終わっちゃったじゃないですか、一緒にできなかったじゃないですか。別に俺は彼女と一緒にクイズなんてやりたくなかった訳だが、どう…

今週のお題 秋のおいしいもの

それはもちろんお米に決まってるダス!! やっぱり新米は食べててちょっと違うなって感じがしますよね。 まぁ、実際食べ比べてみて、違いが分かるほど舌肥えてないですけど。。。

「味噌舐め星人の代打」

結局、トマトソースのスパゲティは味噌ソースのスパゲティと化した。味噌の茶色とトマトの赤色が怪しく混ざりあったそれは、俺が想像した通り、一目に食欲がなくなりそうな酷い見栄えの物だった。まぁ、頑張ればカレースパゲティに見えない事もない、が、味…

「味噌舐め星人の食指」

湯で上がった麺を、お湯とともにプラスチック製のざるにぶちまけると、湯切りの為に十回ほど振るう。しっかりと湯が切れたのを確認して、銀色の調理台の上に上げると、固まらないうちに皿に取り分けた。とりあえず、味噌舐め星人がどれほど食べるか分からな…

「味噌舐め星人の所為」

家に帰るとすぐに電気ストーブのスイッチを入れた。コートも脱がずにストーブの前に陣取る味噌舐め星人。その頭を握りこぶしでど突き、ちゃんとハンガーにコートを通してかけるように指示すると、俺は台所に立った。お夕飯作るんですか、だったら、私もお手…

「味噌舐め星人の採用」

人手が足りてないのは本当なんだからさ、猫の手でも借りたいのは君も同じだろう。いいじゃない、妹さんなんだから、君だって気兼ねなく好きなように使えるじゃない。別に彼女に仕事が出来るなんて期待してやしないさ。ちょっとしたお手伝いに彼女が居た方が…

「店長、人事権を発動する」

おい、勝手な事を言うなよ。勝手に物事を進めるなよ。こんな使えない奴この時期に雇ってどうするんだ。仕事の邪魔こそするだろうが、手伝うことなんてまずないぞ。長いこと一緒に暮らしてる俺が言うんだ、間違いない。悪いことは言わんからこいつを雇うのだ…

「味噌舐め星人の決断」

じゃぁ、私もバイトします、バイトしてお小遣い自分で稼ぎます。それならお兄さん文句ないんですよね。私が何買っても問題ないんですよね。お味噌をお腹一杯食べても文句言わないんですね。そりゃ、まぁ、自分の金で稼いだ金で何を買おうが、こっちは知った…

今週のお題 秋を感じる瞬間

夜に窓を開けて寝るのがちょっと寒く感じられるようになったとき。

「味噌舐め星人の馬頭」

言っておくがな、お前は誰の金で飯を食べてるって言うんだ。俺のお金だろう。多少のおねだりは聞いてやるよ、そりゃまぁ、家族だから。けれどもだ、基本的にその商品を買う買わないは、金を払う俺の自由、俺の裁量だ。分かるよなそれくらいは。彼女の顔を見…

「味噌舐め星人の一気」

先ほどチューブ味噌を持っていた手にはキャップ。味噌舐め星人が咥えているのは、袋の腹を押せば水っぽい八丁味噌がの注ぎ口。中身がアイスやゼリーなら吸い取り口に当たる部分だった。まさか、等と悠長な言葉は出てこず、止めろという静止の言葉が迷わず飛…

「味噌舐め星人の駄々」

残念だったな、もうレジは済ました所だ、諦めてそれを棚に戻してこい。疲労困憊に顔を歪めて俯き、ともすれば泣いているように見えなくもない味噌舐め星人に、俺はそんな冷酷極まりないサディスティックな言葉を放つ。長いこと一緒に暮らしていれば、彼女の…

「味噌舐め星人の隠密」

問答無用でチューブ味噌を棚に戻す。パック味噌があるから良いだろう、こいつは我慢しろというと、味噌舐め星人は買ってくださいお願いしますと目を輝かせて俺を見た。誠意を込めたおねだり、人への物の頼み方。確かに人に物を頼むときには、頼み方があるだ…

「味噌舐め星人の謀略」

味噌舐め星人と肩を揃えて本屋を出る。手には漫画が無理やりに詰め込まれてはちきれんばかりのビニール袋。まさに買い物帰り。これで夕焼けこやけで袋からネギが覗いていたら、さぞかし絵になることだろう。だが、残念ながらまだ辺りは明るい三時過ぎだった…

「味噌舐め星人の購読」

あらゐけいいちの新刊が出ていないことを確認した俺は、新刊コーナーに置かれている漫画を手当たり次第手に取って、面白そうな漫画がないか探した。できれば、流行とは少し距離を置いた画風の物の方が良い。小説でもなんでもそうだが、俺は社会の流行という…

今週のお題 2010年「秋の計画」

小説書くくらいしか計画なんてないけれど。 まぁ、学校のレポートと就職決まった会社の課題をそつなくこなしつつ、って感じではないでしょうか。 とりあえず、これから書く物の計画としては、 群像 10/30 推理物 : 人物関係考え中 角川春樹 11/25 SF物 : …

「味噌舐め星人の意匠」

テレビで上沼恵美子が司会を勤める料理番組が始まった。残念ながら、今日のメニューは味噌とは微塵も関係なければ、そもそも和風ですらないトマトとチーズたっぷりのイタリア料理だった。そう言えばこの味噌娘が来てからというもの、パスタなんてろくすっぽ…

「味噌舐め星人の修業」

だってだって、それは仕方ないのです。お姉さんに教えてもらった料理だけじゃ、駄目なのです。駄目だって、みーちゃんが言ったのです。もっと、たくさん、いっぱい、色んな料理を作れないと、お嫁さんにはいけないのです、って、みーちゃんが言ったのです。…

「味噌舐め星人の二人羽織」

昼飯で使った食器をかたずけるとテレビをつけた。お昼のバラエティ番組のテーマ曲が流れて、出演者達のゲームが始まる。もうすぐそこまで迫ったクリスマスに、テレビの中まで染まっており、番組中でコーナーの司会者を担当している芸人は、サンタクロースの…

書いてます。

twitterでも言いましたけど、pixivでも小説書き始めました。 http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=39791 水曜・土曜日の深夜26:00頃更新の予定。 おかげさまで寝不足気味ですが、やれるとこまでやってみようと思います。

「お寝ぼけ星人の朝食」

鎌首を擡げた王蟲と対面して俺はちゃぶ台に座った。とりあえず、食べる時くらいは布団を脱げよと注意すると、だらしなく行儀も悪いお寝ぼけ星人は、嫌です脱いだらさむさむですと布団の端を握りこんだ。味噌そぼろでも飛ばして汚されてはたまらない、良いか…

「味噌舐め星人の王蟲」

俺の足元に積もりに積もった塩はそう簡単に底にたどり着けるほど浅くは無かったし、その塩を捨てるあてさえもなかった。それでも、俺は両手いっぱいに足元の塩を掬っては、それを横に投げ捨てた。俺の夢の中から塩吹きババアの残り香を伴った塩を描き出そう…

「味噌舐め星人の就寝」

ポケットの中で握れば痛むほど冷えた鍵を、俺は扉の鍵穴に差し込む。手首を回せば鈍い音がして、立て付けの悪い扉は揺れた。鍵を引き抜き、代わりにドアノブを握ると、部屋の中に入る。外よりもいっそう暗い部屋の中にあって、正面の窓から差し込んでいる月…

今週のお題 2010年夏をふりかえり

全然遊べなかった。家にいても、ずっとなんか作業してたり。 作業ってのは小説書いたりとか、そんなんやけど。 もうちょっと上手く時間を使えば、この学生最後の夏を楽しめただろうに……。 北海道、行きたかった。しかし、レポートかかねば。。。

「魔法少女風味ミリンちゃんは電話する」

果たして泣かれる程の事を、俺はB太にしてやっただろうか。彼の頭の中で俺という存在がどうなっているのか、赤の他人である俺には理解できる分けがない。別れ際、B太が見せた涙に、俺は少なからず動揺していた。そんな風に他人から自分が思われているとい…

「B太の決断」

やりたいんだろ、とは、あえて言わなかった。代わりに、B太の瞳を俺は真っ直ぐに見つめた。俺の視線を首ごと逸らしたB太は、辛そうに顔を歪めて暗い地面を見た。そして、意を決したような表情で再び俺に顔を向けた。 先輩、俺、やってみます。せっかくのチ…

「B太とメジャー」

丑三つ時に住宅街は眠り、辻に立つ電灯に虫が焼かれる音がやかましい。言葉を失した俺たちは、ただひたすらに足を動かして、暗い夜道を肩を並べ家路を急ぐ。電灯がまぶしい辻を少し離れれば、前方は薄い靄がかった闇、足元には重力に押し込まれた深い闇が這…