2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「魔法少女ビネガーチャンは先輩を敬う」

ヘイ、ヘイヘイ、ユー達いい度胸じゃないのよさ。私という物がありながら、置いてきぼりにしていくとはいい度胸じゃないの。ちょっと痺れちゃったわよ、塗れちゃったわよ、起きたら真っ暗で誰も居なかったもんだから。知っているかしら、アタシはね、寂しく…

「味噌舐め星人の抽斎」

それから俺たちは、いつかそうしたように、ミリンちゃんを真ん中に三人で手をつないで夜道を帰った。ミリンちゃんは相変わらず泣いていて、俺はなにも言えなくて、俺たちの悲しみを中和するように、味噌舐め星人がいじらしく一人笑っていた。彼女の笑顔に助…

「味噌舐め星人の愛嬢」

ミリンちゃん、もう、こんなのは止めにしよう。お互いが悲しいだけだ。慰めるでもなく、赦すでもなく、彼女にかける上手い言葉が見つからない俺は、ただ、彼女に提案をした。俺は確かにお前に酷いことをした、そして、お前はそれで酷く傷ついた。けれども、…

「魔法少女風味ミリンちゃんは、お兄ちゃんが大好きだ」

駄目ですよミーちゃん。お兄さんだけ仲間外れなんて、そんなの駄目ですよ。だってだって、お兄さんは私たちの大切なお兄さんなんですよ。ちょっと頼りないけれど、ちょっと乱暴者だけど、ちょっと変態だけれど、それでもかけがえのないお兄さんなんです。私…

「魔法少女風味ミリンちゃんは、お兄ちゃんが大嫌いだ」

いや、普段のミリンちゃんはお前と同じで、思ったことはなんでも口にするような空気読めない感じの子なんですけどね。即座に俺はそんな事を思った。現に、先ほど俺と席を立った時は、彼女もちゃんと喋っていた訳だし、今回に関して醤油呑み星人の人物鑑定は…

「魔法少女風味ミリンちゃんは物静かな女の子なのか?」

味噌舐め星人だけを別世界に隔離して、俺たちの周りに剣呑な空気が広がる。とりあえず、こんな場所にずっと居ては耐えられないなと、俺は席を立つとドリンクバーに向かった。敵地に一人取り残されるのが不安なのか、ミリンちゃんも俺に続く。なんなのですか…

今週のお題心に残るプレゼント

なんだろう、プレゼントしてくれるような人が周りに居ないからなんとも言いようがないなぁ。。。 あー、成人のお祝いに親に買ってもらった電気カミソリかな。 五千円くらいので、よく剃れるので今でも使ってます。 どう心に残るって、そりゃ、成人のお祝いが…

「味噌舐め星人の呑気」

まるで、葬式に連れてこられた子供のようだ、俺の同僚と頑なに話すことを拒みつづけるミリンちゃんを見て、なんとなく俺はそんな印象を抱いた。彼女は醤油呑み星人からの辛辣な野次も、猫なで声の気持ち悪い店長の言葉も受け付けず、我関せず、まるで風にそ…

「店長、小さい女の子にも下心を見せる」

結局、俺が味噌カツ御前、味噌舐め星人が味噌煮込みうどん定食、みりんちゃんがたまごハンバーグ定食を注文することになった。ハンバーグを選ぶとは、やっぱり味覚がおこちゃまだなとからかおうとした矢先、あぁ、そのハンバーグも美味しそうですね、お味噌…

「味噌舐め星人の宣宅」

ミリンちゃんの許可を得た俺たちは一路駅前へと向かった。駅前には何件かファミリーレストランがある。流石に行きつけの居酒屋であるつぶれかけに、ミリンちゃんを連れていくのは気が引けた。なにせ、最近は料理がまともになったとはいえ、まだまだ衛生環境…

「魔法少女風味ミリンちゃんは働き盛りの女の子だ」

あまり患者も居なかったおかげで、ミリンちゃんの診察の番はすぐに回ってきた。ご家族の方も一緒に入りますかと、受付よりは幾らか若そうな看護婦に聞かれたが、ミリンちゃんが背中で無言の圧力をかけてくるので、俺はその申出を断った。やれやれ、なんとも…

「ミリンちゃんのお姉ちゃんはふしんきんだ」

診療受付終了の五分前になんとか病院に滑り込んだ俺は、ミリンちゃんに代わって受付の予約表に名前を書いた。そこは初めて訪問する個人経営のこじんまりとした町医者だった。よほど人が居ないのか、定年を過ぎていそうな顔つきの妙齢のナースが、静かに受付…

「魔法少女風味ミリンちゃんは、兄と後輩を天秤にかける」

とりあえず、飯時にはちょうど良い時間だ。かと言って俺の居ない間に台所は酷い有様になっているし、冷蔵庫の中身もおそらく変わってはいないだろう。一応扉を開けて冷蔵庫の中を確認してみる。味噌が真新しくなっている以外は、特に何も変わっていない。じ…

今週のお題私とケータイ

私のケータイはAndroid(HT-03)なんですが、moperaドメインが別料金でgmail使ってたり、その絡みでmixiとかのSNSに登録できなかったり(最近はできるのかも)、ケータイ専用ウェブページにアクセスできなかったりと、色々と不便な感じです。 いや、使い方調…

「ビネガーちゃんはルパーン賛成の反対」

全員動くなっ、頭を潰れたトマトのようにされたくなかったら、手を上げて銃を下に落せ。ふははっ、ようやく捕まえたぞルパーンことミリンちゃん先輩。ったくもーう、何勝手に居なくなってるんすか、心配したんっすよ。風邪ひいちゃったんですって。ぐふふふ…

「ビネガーちゃんは最悪な空気をなんとかする女」

予想外にボロい家に住んでるっすねお兄さん。お仕事何してるんですか。アパートの前につくなりビネガーちゃんは、そんな失礼な質問を俺にぶつけてくれた。別にいいだろうが、人がどんな仕事してようが、どんな家にすんでようが。彼女の質問を軽く無視して、…

「ビネガーチャンはゲヘヘと微笑む」

へぇ、それじゃぁ、お兄さんが先輩のお兄さんな訳ですか。これは失敬しましたでやんす、アタシはテレビでビネガーちゃんやらせてもらってる、墨田純子と言いやす。純子はすみことも読めるので、みんなはスミちゃんと読びやすが、アタシ的にはスミスミと呼ば…

「ビネガーちゃんは都会人」

ミリンせんぱいで何となく想像はついた。つい先日、B太と見ていた深夜番組。その途中で流れた頭の悪いCMが頭の中で再生される。そうだ、その映像の中でメイド服を着て歌って踊っていたのは、間違いなく目の前に立っているこの女だ。ミリンちゃんの後輩。…

「っす女は人懐っこく道を尋ねる」

いやー、ありがとうっす、助かったっす、うっす、うっす。冗談みたいに頭を何度も下げながらそう言うと、女は手を振って俺の前から去って行く。その進行方向が俺が住むアパートと同じ方向で、俺はもうどうして良いか分からなくなって頭を抑えた。この女、さ…

「陽気な女は訳の分からぬ口調で道を尋ねる」

隣に座ったおっかない女は、起き出すとキョロキョロと辺りを見回した。そして、一昔前のアニメのキャラクターがプリントされた、パステル色の多いカバンから、赤いラメの効いた携帯電話を取り出すと、小凄い勢いでボタンを押し始めた。メールをしているのだ…

今週のお題 夏の必需品

夏だからって何が増えるって事もないですけど、そうですね、麦茶とかでしょうか。 ガブガブ飲みますからね。そりゃもう、ペットボトルで二・三本分は日に消費してます。 あとは扇風機でしょうか。クーラーは高いので。住んでる所が田舎なので、夜はそんなに…

「涎を垂らした居眠り女は、起き抜けに睨みつける」

牛丼を食べ終わって時計を見れば、ちょうど良い塩梅の時間だった。会計を済まして店を出る、地下街を通って駅へと戻る。相変わらずうんざりするような人ごみの中を進み、のりばへと辿り着くと券売機に万札を突っ込んで切符を買った。こんなに釣り銭が多いこ…

「魔法少女風味ミリンちゃんのお兄ちゃんは、約束を思い出す」

結局、押しに弱い俺はメイドのしつこい勧めを断ることができず、帰りの駄賃を受け取ってしまった。いや、果たして三万円を駄賃といって良いのだろうか。メイドのくせに感覚が現実場慣れしている。よほど酢堂が経営するこの店は給料が良いのだろう。あるいは…

「酢堂のメイドは面堂をみる」

所々ワックスが剥げた汚らしい階段を俺は下の階に向かって降りる。無駄に木目の鮮やかなドアが降りたところの左手についていて、奥にそれを押し込むように開くと、頭が痛いことにそこは実に基本に忠実なわかりやすいメイド喫茶になっていた。普段は絶対に出…

「酢堂は悲しく芸術を語る」

俺は鬱陶しい程に整った酢堂の顔から、絵の中の不鮮明な顔へと視線を移し、もう一度その絵をよく観察した。なるほど、知らぬ誰かの事を思って描いた絵とは、なんともロマンチックな話じゃないか。昨日、河原でその新作を見かけた事からも、この絵の作者が現…

「酢堂は壁にかかった絵を語る」

なんでそんなことを聞かれなくてはいけないのか分からない。自分のセンスを確認するためだろうか。じゃぁ、何でまたよりにもよって、この場面で聞く必要があるのだろう。辛い現実を自己の美点を他者から指摘させることで、緩和しようという浅ましい発想だろ…

「酢堂は俺を目の敵にしてくる雅さんのストーカーだ」

これら一連のやりとりで分かったことは一つ、目の前の酢堂君がどうやら俺を目の敵と恋敵に指定しているということ、こいつが血眼になって雅さんこと砂糖女史の居場所を探しているということ、ただそれだけだった。まったく興味のない人物との話し合いという…

今週のお題 七夕の願い事

貧乳で姉さん女房な感じの彼女ができますように。 貧乳で姉さん女房な感じの彼女ができますように。 貧乳で姉さん女房な感じの彼女ができますように。 星に願いを言うときは、三回言うもんです。 けっして書く事なくて手抜きとかそんなんじゃないです。 でき…

「魔法少女風味ミリンちゃんのお兄ちゃんは、雅さんの居場所を知らない」

あのな、お前は何か勘違いをしているぞ。俺は確かにあの時砂糖女史、いや、お前の言う所の雅さんと一緒に居た。居て、彼女を連れてお前の前から去った。けれどあれはちょっとした偶然というか、成り行きであってだな、お前が思っているような関係は俺たちの…

「酢堂は無駄に精神的にタフな二枚目だ」

すっかり忘れていたよ、そういえば、こんな奴も居たっけかな。よっぽどこいつの存在が鼻についていたのだろう、明るい所で顔を見たら一発で思い出した。そうだ、あの、いけ好かない、メイド喫茶のマスターで、砂糖女史と知り合いの、酢堂なんとかだ。下の名…