2010-01-01から1年間の記事一覧
その後、俺と味噌舐め星人はぐるりと城の中を一周して病院に帰る事にした。なにかと段差の多い城の中で何度か車椅子はこけそうになったが、俺の早めの注意と味噌舐め星人の悪運でなんとか横転するような事態になる事はなかった。一周を終えた帰り際、おでん…
驚いたのが俺の財布が味噌舐め星人のズボンから出てきたことだ。俺が病院で寝込んでいる間、どうやって飲み食いしていたのかと思えば、なるほど俺の財布をこいつ勝手に持ち出して、飲み食いしていたらしい。お前、思っていた程ちゃっかりしているなと、あり…
食事を終えた味噌舐め星人に頼み込んで、俺たちは散歩に出かけた。味気のない病室には、息苦しい空気に満ち満ちていて、こんな所に長いこと居たならば、窒息死してしまいそうだった。けれど、看護婦たちが忙しなく行き交う廊下にも、妙な緊張感のような物が…
味噌舐め星人が起きたのは親父が病室を去ってから一時間後の事だった。窓から差し込んでくる日の光を顔面に浴びて、彼女はくすぐったそうに瞼をひくつかせると、大きく口を開けた。猫の手で目を擦りあげて、跳ね返った髪を揺らめかせて立ち上がると、あぁ、…
親父は何も言わずに俺を見ていた。本当にそのまま帰って行きそうな、そんな雰囲気だった。なんだよ言いたいことがあるなら早く言えよ、なんて、軽口も無駄に叩けないそんな視線を感じて、俺は、少し身震いした。親父は語る代わりにゆっくりと自分のスーツの…
誰だ。扉の向こうに居るのは。そして、何故、入って来ないんだ。 ノックの音が止み、扉の揺れも止まり、俺は静かに息を飲んだ。朝日を部屋の中へと引き込んで、ゆっくりと病室の扉が開く。背の高い男の影が、扉から俺のベットへと伸びてきた。薄い頭皮がただ…
解消できてたらこんな所でブログなんて書いてねえよ!! いつまでも満たされない承認欲求に、アタシゃもうどうにかなっちまいそうですよ!! いいよな、人気者様共は楽しそうにおブログしてらっしゃってよぅ、ケェーーーッ!! ※ ノートパソコンが壊れた為、…
どうなっているんだ。そう言えば、俺はあの後、紅色をした少女と会ってからいったいどうなったんだ。気づいたらベッドの上で、日が暮れていて、新聞を読んで、テレビを見て、そして今、冷めたご飯を前にして、そう言えばそんなこともあったっけと自分の足を…
どうしようもない殺意に満たされてしまった俺の上にも、等しく朝はやってくる。あの後、身を焦がすような強烈な悪意に身もだえて、ろくに眠れない俺は、とうとうそのまま朝を迎えた。五階にあるからだろうか、窓から日光が差し込んできたのは、普段俺が起き…
気づけば辺りは暗く、俺はベッドの上で眠っていた。傍らには味噌舐め星人が涙を瞳に浮かべて眠り、窓の外から聞こえてくる雨音に静かにその息を混ぜ込んでいた。なぜだか、彼女にとても酷い事をしてしまった気分になった俺は、上体を起こして彼女の頭を静か…
彼女はそう言って蹲った僕の顎先にその小さく柔らかい手を這わせた。擽るような感覚に顔をあげれば、彼女の顔が近くにあった。ガラス玉の様な目をした彼女は、仏のように慈悲深く微笑むと唇を開く。すぅと、息を吸い込めば、まるで海に潜るように顔を更に僕…
窓辺の少女のあどけない笑顔に、俺は思わず心を奪われてしまった。なぜだろうか、あまりに彼女が美しく過ぎて、息を止めてそのまま窒息ししてしまいそうな、そんな気分。性欲でもなければ、独占欲でもなく、父性愛でもなければ、恋心でもない、不思議な愛お…
鼻から通されたチューブと注射針が刺さった腕が痛々しい。店長は仰々しい機械の中で、いつになく真剣な顔をして眠っていた。いつもの、あの、人懐っこい、とても中年とは想えない、愛嬌のある笑顔は、店長の顔の上からすっかりとどこかへと行ってしまって、…
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=83429 書きまんた。投稿しまんた。応募しまんた。 誰か読んでくりとり○。
マイブームというか最ブーム、漫画の地獄先生ぬ〜べ〜とかですかね。 最近、市内のGEOが古本販売から撤退するらしく、文庫本を十冊ほどまとめ買いしました。 小学生の頃リアルタイムで呼んでたんですけども、今読んでもやっぱり怖いなぁと。そしてエロいなぁ…
ICUの前には何人かの人が居たが、その中から顔見知りを見つけるのは実に簡単だった。泥のついた作業服を着た大柄の男に、温かそうなセーターを着込んだ小太りの女性。そして、彼らに慰められている様な格好で、頭を垂れている太い黒縁の眼鏡の女。それは…
足を巻く包帯は固く、出刃包丁で引き裂かれた俺の足が、まだ使えないであろう事はわざわざ誰かに聞かなくても明白だった。ミリンちゃんが呼んだ医者と看護婦に、軽い健康診断を受けた俺は、松葉杖かもしくは車椅子を貸し出してくれないかと申し出た。医者は…
それから後の事は気を失ったので分からない。気がつけば、俺は病院の中に居て、足元には味噌舐め星人が寝息を立てていた。今何時だろうか。余程深い眠りだったのか目元に張り付いた目やにを刮ぎ落すと、辺りを見る。夕焼けに染まったカーテンに、まぶしく輝…
「撃てぇっ、そいつが犯人だ。店長が刺されちまう、撃て、撃ってくれ!」 銃を捨てて俺は大声で叫んだが、自動扉に閉ざされた店内に、俺の声が虚しく木霊するだけで、コンビニを包囲している多くの警察官達は、店長が刺されるのをただ黙って見続けた。肩から…
五分ほどしてパトカーはコンビニに到着した。大げさに音をならしてやってきたのは五台以上十台未満。そうしてパトカーは、狭いコンビニの駐車場をたちまちに埋め尽くしてしまった。次々に、紺色の制服を着た警官が車から降りる。そして、扉をバリケードに銃…
もう一度頭を殴りつけると男は膝を折り、背中を蹴り上げれば蹲った。前倒れに傾く男。その手に握られた銃が地面を撃った。柔らかい床にめり込んだ弾は跳弾することなく、やがて、男は手から銃を離した。俺はすかさずそれを取り上げると、男に馬乗りになり、…
学校で作ったサイトの日記が面白いとかおだてられて。 どこまで世間に通用するのかなとやってみたら、全然通じなくって。 負けてべそかいて止めるの嫌だから。 今でも移転したりしながらダラダラ続けてるという。 そんな感じですね。 自己顕示欲の塊なんです…
いやっ、いやぁっ、何してるんですか、お兄さんに、何するんですか。止めてください、止めてください、そんな物を向けないでください、お兄さんにそんな危ないものを向けないでください。危ないです、そんなの向けては危ないです。それを打ったら、お兄さん…
黙るのか、吠えるのか、生きたいのか、死にたいのか。そうやって、生意気な目で俺を見てるだけじゃ分からないよ。どっちなのか、そこの所をはっきりしてくれないと、俺もその気にはなれないじゃない。ただ俺に銃口を向けて、男は言った。また、笑っている訳…
カッターの男が急に黙った。彼もまた、後ろに立つ相棒の様子が変わったことに気がついたのだろう。ゆっくりと後ろを振り返った彼は、その妙に涼しげな目をした仲間に、おい、どうしたんだよ、と、声をかけた。喉が静に鳴る。今の今まで沈黙を守っていた男が…
カッターの男が急に黙った。彼もまた、後ろに立つ相棒の様子が変わったことに気がついたのだろう。ゆっくりと後ろを振り返った彼は、その妙に涼しげな目をした仲間に、おい、どうしたんだよ、と、声をかけた。喉が静に鳴る。今の今まで沈黙を守っていた男が…
どうにか少しばかりの勇気と平静を取り戻した俺は、店長に大丈夫だから心配するなと目で合図を送った。むしろ店長が捕まらなくてよかった。あんたみたいな明かなビビリが捕まれば、恐怖にまともな行動がとれるはずがない。下手をすれば強盗の神経を余計に刺…
味噌舐め星人が陳列した棚は意外と綺麗な仕上がりだった。これで完璧よくやったと手放しに褒めるには少し崩れていて、かと言ってこれじゃ全然ダメダメと気持ちよく注意するにはおおよそ重要な所は抑えてあった。総合的に評するとすれば、俺はどうにも味噌舐…
ひとしきり味噌舐め星人に仕事の仕方を教え終わると、それを見越したように丁度いいタイミングで搬入のトラックが駐車場に入った。ちわっす、弁当の搬入です、確認お願いできますか。はいはいはいと、倉庫から出てくる醤油呑み星人。バイトしてうちのコンビ…
運動会は50m走がいつもビリっけつで、やりたくねーなーと思っていた思い出しかねーですね。 文化祭は、前夜祭(設営・準備を兼ねて学生のみで行われる、本日一日前のイベント)のプレゼント抽選でうまい棒(30袋)が当たり、場内の男前コールに負けて全…