2007-09-01から1日間の記事一覧
驚く間も与えず、少女は鉄仮面の腕の中に飛び込むと、胴回りにそのか細い腕を絡み付ける。鎧の下から覗かせたその体は、まさしく少女。鎧よりも、ドレスのほうがどれほど似合うだろうか。 そんな少女が自分の体をぎゅっと抱きしめているのだ。鎧だけの身の上…
「おかしな男ね。村長の家臣のくせに隣の国のことも知らないだなんて」 「隣の国?」 「そうよ、このエルフ自治領の西。この山脈を越えた先にある国。そこが竜の国」 この山脈の向こうに国がある。まさか、この村以外に村が無い、また国が無いとは思ったこと…
「……だから言ったでしょう、ちぃ殿。モンスターかもしれないと」 こちらを見つめるドラゴンの目を見据え、前に出ると鉄仮面はちぃを背中に隠そうとする。 「! 見て、お兄ちゃん、あのドラゴン怪我してる!」 「?」 改めてみれば、確かにその臥しているドラ…
文字通り、鉄の壁と化した鉄仮面。その後ろから、まだ尾を引くのか森の奥を見つめ続けるちぃ。 「…… お兄ちゃん」 「なんです? ちぃ殿」 「ここから先に行っちゃ駄目?」 「駄目に決まっているでしょう。アレはモンスターかも知れないんですよ。ちぃ殿なん…
「ちょうど良いところに来たなぁ、鉄仮面」 ニッコリとアルが鉄仮面に微笑みかける。 「本当に。主君の危機に颯爽と参上するなんて、騎士の鏡ね」 アルにも増して笑みをつくり、メイが鉄仮面に語りかける。 「? い、いやぁ、その。なんというか、良く分かり…
「ヒーマーダナー、なぁ、ちぃ?」 「ヒーマーダーネー、ねぇ、パァパ?」 ちょっこりと膝の上にちぃちゃんを載せて、玉座に座っているアル。暇と言う割には、随分と楽しそうなのは娘と一緒に居るからだろうか。浮ついた表情で体を揺らし揺らし、二人楽しそ…
作者からの断り 話の展開上以下のキャラクターを統合しました。ご了承ください。 『賢精の魔導書』の魔人 エーガル 石灰龍の魔人 ドルマン 石灰龍の魔人 魔人領盟主王 エーガル 轟々と燃え盛る青白い炎が岩を焼く。荘厳な城はその大半を灰と化し、今まさに大…
アメブロからこちらへの移転に伴い、過去に連載していた作品は以下のサイトで連載することになりました。 まぁ、見ている人がいればの話ですが…… 鉄仮面戦記 本サイト 毎日掲載(小説というよりプロット:土日は基本休み) 魔法使いカツマサ 本サイト 毎月25…