「味噌舐め星人の詮索」


 しゃべくりまくったせいか、醤油呑み星人との通話を終えると、強烈に喉の渇きを覚えた。俺は携帯電話をポケットにしまうと、ついさっき来たリビングの方を振り返った。すると、顎の先くらいに見慣れない頭頂部を発見して、驚いて後ずさった。それはリビングに置き去りにした、味噌舐め星人。
「誰と話していたんですか。随分と、楽しそうな様子でしたけれど」
「昔の友達だよ。別にお前には関係のない話だろう。余計な詮索をするな」
 女の人だったように思いますけれど。彼女はなぜか、リビングに行こうとする俺を通せんぼして、食い下がってきた。だから余計な詮索をするな。確かに相手は醤油呑み星人。異星人とはいえ女性には変わりない。しかし、実際彼女は俺の友達で、今は俺の友達の奥さんなのだ。そんな関係の人間と会話して何が悪い。雅に悪いとでも言うのか。はっ、そんなことを気にするようならば、彼女は俺と一緒に居やしない、とっくの昔に出て行ってるよ。
 とにかく、邪魔だからどいてくれないか。俺は強引に味噌舐め星人をどけるとリビングに入った。ソファーに腰かけて、膝に手を置いて、テレビを見ている雅の事を軽く無視すると、キッチンに入って冷蔵庫を開けた。半分程入っている2リットルサイズのペットボトル飲料を手に取ると、俺は煽るようにしてそれを飲んだ。美味しくて、ついつい全部飲んでしまったそれを、俺はシンクに放り込むと、冷蔵庫を閉めた。五月蠅いですよ、今、良い所なんですから、と、雅が言った。あ、お前、今、俺になんて言った。
 はっとした様子で、雅が俺の方を向く。みるみると、その表情が青ざめて行く。何度見ても、加虐心をそそってくれる表情だ。もう少し、この女は自分の性を見つめ直した方が良いだろう。でないと、いつまでたっても、こんな風に、男に酷い目に合わされるだけだ。そんなことを思いながらすることでもないが、俺は雅の髪の毛を掴んで、ソファーへとその頭を抑え付けた。
「雅よぉ。お前、そんな生意気な口きいて、どうすんだよ。どうしたいんだよ。アイツが来たんで、早速欲求不満なのか。獣みたいに俺とできなくなったのが、そんなにストレスなのか。仕方ねえ奴だな、本当に、お前は」
「違います、そういうんじゃ、ない、です。止めて、止めてください」
 止めれるかよ。そういう気分になってしまったんだから。俺はズボンのベルトを緩めると、ファスナーの間からいきり立った一物を引きだした。邪魔くさい雅のスカートを乱暴に降ろすと、飾り気のないショーツをずらす。そうして、使い込んでいる割には綺麗な女性器に、自分の分身をあてがうと、俺は力いっぱいに奥にそれを突き入れた。あぁっ、と、雅が叫ぶ。
 何だかんだで、雅は好き物だった。嫌だ、止めてと言うが、最後には快楽に負けて、俺に刺激を求めてくる。暴力に関しては抗う事も多かったが、こと情事に関しては、彼女は時に僕よりも積極的で、いやらしかった。
 しかし、今日は少し違った。本当に抵抗している。やはり、味噌舐め星人が家にいるという羞恥心からだろうか。今更、見られたくないのだろう。
「お盛んな事ね。悪いし、外にでも出ているわ」
 しかしそれも無駄な努力だった。軽蔑の目を向け味噌舐め星人は言った。