書評 鏡花幻想譚『龍潭譚の巻』


 解るかぁっ!!


 いや、自分の無知を棚に上げてどうこういうのは流石にどうかと思うのだけれど、うん、さっぱり解らなかった。最初の開設部分を読んでなかったら、英語の教科書読んでるのと大差なかったかも、かもです。はー、さっぱりさっぱり。
 多分綿密な情景描写であるだとか、怪異の描写が秀逸というのがこの先生の売りなのかな。だからか、その表現のいろはがわかってないもんで恐らくはさっぱりだったのでしょう。湖の女にとりつかれてもーても、蜘蛛がわっしゃわっしゃ動いてわれてもーても、別に、なんてこともなく、へーはーふーんそうでっか、で終わり。
 けどけど、高野聖は面白かった。山奥で出会った妖艶で魔性な女の美しさとまがまがしさがこう……、うーん、あってるのだろうかこういう表現で? とにかく、この作品は解らないなりに凄く楽しめました。しっかしまぁ、男引っ掛けて化け物に変えるとはなんとも迷惑な、けどころっと騙されてしまいそうだなぁ、私も男だし……。


 秋水君曰く、「水月みたいな話ですねぇ」とのこと。そういやどっかで和製ラブクラフトとか聞いたような気がせんでもないので、「そうそう、遠野物語ラブクラフトを足して二で割ったような話なんやよたぶん」と言っておいた。遠野物語は読んだこと無いんですけどね、HAHAHA! あ、あと+エロスか?
 気が向いたら次の巻も読んでみますわ。解らないながらも、なんかこう私のインスピレーションを触発するパワーみたいなものを感じます。オヌヌメ!!