書評『バカとテストと召喚獣 一巻』 〜無言はいわゆる一つの萌え要素〜


 昨日あの後、日課をいつもの半分くらいでやめて読みふけってしまいました。
 一巻を読破したので、とりあえず、書評と言う名の布教活動&コンテンツ充実を。
 その前にもう一度言っておきますけど、


 この小説は来ますよ。

あらすじ


 学力至上主義の文月学園に通う主人公の吉井明久は、そのあまりのバカさ加減や問題行動が起因して、学力テストによる新学期のクラス分けで、学内最低(学力が)の奴らが集められるFクラスに配属される。
 クラスに入り、回りを見ればどれもこれもバカばかり。女は居るけど、かわいくない上に暴力的、彼女にしたくないランキング上位の島田美波だけ。おまけにクラスの設備は最悪で、フローリングの代わりに腐った畳、椅子の変わりに薄い座布団、いかにも苦学生ですと言いたげな卓袱台型システムデスク(ただの卓袱台)ときたものだ。
 と、そんな所に、場違いな人間があらわれる。それは学年二位の美少女、姫路瑞希
 彼女は前回の学力テストの際、あまり強くない体の影響で体調不良をおこし、途中退席で0点になってしまっていたのだ。
 思わぬクラスメイトの登場に色めき立つクラスメイト達。
 隣に座った可憐な姫路に胸をときめかせる主人公。そして、体の弱い彼女の為に、まともな設備を手に入れようと、決意するのだった。クラスの設備をかけてそれぞれの召喚獣で戦う、「試召戦争」という制度を使って。

感想


 召喚獣とか言う設定別にいらないんじゃないの? って思うくらいに、話のテンポがいい。それこそ、小説で大爆笑を引き起こさんばかりの文章です。それもこれも、主人公の馬鹿さ加減のなせる業なのですが、よくもまぁ傍観者の立場である主人公を、上手く表現したものだなぁと。思うに、キョンさんもかなりのニヒリストの側面を持っているわけで、最近の主人公の傾向でしょうか。
 設定にいたっては、まぁヒロインがステレオタイプなのでかも無く不可もなく。ついでに言うと、戦闘もなんだか分かりづらいし、召喚獣が出てこないといけない理由みたいな物も分からない。他の方法で解決しても良かったんじゃないだろうか(特にこれといって例は思いつかないけど)。むしろ、召喚獣と設定した事で今後の作品の傾向が、狭まってくるのではと僕は危惧してます。しかしまぁ、アニメ化したら、恐ろしく映える設定ではあると思いますけど。
 と言うかアレです。この漫画は、腐女子向けですよ。(ぉ
 ヒロインより、ヒーローの方が可愛いですもん。(ぉ
 まずまぁ、作者が狙って作ったキャラである木下秀吉。イラスト見る限りどう見ても美少女ですけど男です、本当にありがとうございました。まぁ、見た目だけのキャラクターで、それ以外のときは基本的に空気か冷静なツッコミ役なんですが、このビジュアルは反則です。
 で、この作品の正ヒロイン(と、言えなくもないキャラ:♂)であるのが、『ムッツリーニ』こと土屋康太。いわゆるクラスに一人はいる、保健体育だけ異様に点数のいいキャラクター。しかも、自分がスケベであることをひたすらに隠そうとする。たとえ、女の子のパンツをのぞいていたという確たる証拠があろうとも、ひたすらにそれを隠し続ける。そんなところから、付いた仇名がムッツリスケベが転じた「ムッツリーニ」。どんなに問いただされようと、ただひたすらに無言で首を横に振ります。
 何がいいかって、そりゃお前。その仕草。性に関する知識の事でいじられると、頑なに自分はそんなの知らないよと、やってないよと否定します(偶にぼろが出るが)。そして、テストの答案も凄い。「女の子は(初潮)がはじまると第二成長がはじまる」という穴埋め問題に、実に一ページ近くの答えを書き、なおかつ次のテストでもその続きを書く…… ムッツリーニ恐ろしい子
 そして、何と言ってもこの作品の肝。主人公こと愛すべきバカ、吉井明久。
 こいつにかかれば、ラブレターも不幸の手紙になり、人質も敵の偽装工作になり、切り札として左手を隠す(謎)。その行動はもう何と言うか、事実は小説より奇なりなんてないなぁと思わせんばかりの行動っぷり、そして不幸っぷり。
 そのバカっぷりは群を抜いて凄く、選択問題でこたえに「およそ」をつけたり、光は波であり勇者の武器と答えたり、bad-butter-bustだったり。というか、よくもまぁ、この程度で受験校に合格できたな。そりゃおまえ、近所の中学生に頭の悪いお兄ちゃんって指は指されなくても、小学生には指されるよ。
 こういうキャラクターを主人公に持ってきて、よくもまあ成功したなぁと思います。ほんとに。
 彼の奇行が知りたい方は、是非とも一巻を手に取ってください。そして、そのままレジへ。


 っつうかんじで、ますます先が気になるバカとテストと召喚獣
 これから私のサイトの全力をかけて、ヒロインの姫路さんとムッツリーニを応援していきたいとおもいます。