滋賀旅日記その1


 朝九時起床。前日にプラン練ってて寝不足、ただでさえ毎日不規則な生活をしていたので加えて寝不足。体調はもちろんぜっ不調なのだけれど、やると言ったからには仕方がない。なに、ちょっと体を動かせば元気になるさ。実はその不調の原因は運動不足なのかもしれないと、適当なことを言って旅立ちを決意。
 遅めの朝飯食い食い親に言って驚かれる。まぁちゃんと帰ってくるからと押し切って、旅立ちを納得させた。
 自分の部屋で久しぶりの荷造り。何を持っていけばいいのか久しぶりすぎてもうさっぱり。とりあえず四日分の着替えとひげそり、携帯、財布を準備。あ、あと充電器も。で、揃ったところでれっつらごーとはいかず。
 Qikの設定を始める。どうにもライブ配信がうまくいかない。カメラ側かもしくはサービスの設定の影響かと最初は睨んでいたのだけれど、どうにもFlashのバージョンが古かったのが原因らしく、最新のVer.10に変えるとスコスコライブ映像が動き出したので一安心。この時点で11時。大幅に予定が狂う。
 とりあえず家を出てしばらくぶらぶら。途中のヤマダ電機でストラップを買うとそれを自転車のハンドルに巻きつけて簡易スタンドを作り上げる。本当はiphone用の自転車取り付け具がほしかったのだけれど、売っていないので残念あきらめた。で、Qik起動でライブ配信開始。するも、ガタガタ揺れるは勝手に配信切れるわ、挙句フライトモードのスイッチも入るわでてんやわんや。それでもなんとか二時間くらいは漕いでる映像を配信しつづけたんだけれど電池の限界がカムヒアーで断念。旅的に良いところだけを配信することに決めたころには伊勢関にたどりついていたとさ。
 関までの道中は結構なるい山道とかがあったのだけれども、まぁまぁ普通の道で。割と漕ぎ続けてくることができた。けれども、関から甲賀への道のりはそう甘くはない。だいたい三合目くらいまで上がったあたりで歩きモードに。普段車で来るときと違い、道を長く感じる。間違いなく長い、こんな道あっただろうかとひたすら上る。初めての道で頂上が分からずに気が滅入るのは分かるが、何度も通った(車だけど)道でも同じようになるとは思わなかった。みなさん、自転車旅行をなめてはいけない。低速だと、高速のときに見えないものが見えたりするのだ。
 頂上付近で工事中。こりゃいかんなとちょっと自転車に乗って飛ばす。今まで歩いていたので筋肉の疲労がおかしくなっていた。漕ぎ終わって工事区間を抜けたところで足を吊る。ライブ配信で吊りかけたとか言ったけど、嘘。確実に吊ってた。あれでよくコケなかったなぁと自分でも不思議なくらい吊った。運動不足はやっぱり駄目だ。普段からちゃんと鍛えておく必要があるなぁと痛感。まぁ、いやだけれど。
 吊った脚はゆっくり屈伸すると治るということを発見。工事先から少し行った道端で座り込んでいた俺、屈伸で大復活するも、しばらくはゆっくりと頂上へと向かう。それでも少し行くとトンネルがあってほっとする。たぶんこれが終わりだろう。何度か旅してきたけれど、トンネルの向こうはたいてい下り坂になってる確率が多い。気がする。
 そしたらちゃんと終わりで、一直線に甲賀へ。だいたい僕は山を走る時下りの方がテンションが上がる。漕がなくていいし、疾走感がすごい。重力によってどんどんと加速していく自転車をブレーキでスピード調節し、体全体で制御する。実にスポーティだ、それでいて地に足を着いたスリルがある。もっともそれだけが僕が自転車に乗っている理由じゃない、景色のいいところを走るのもとても面白いのだ。両方揃うと最高だね、と言い切れる。
 鈴鹿は上りの景色が最高だった。つまりは、帰りは下りになるのだけれど、残念鈴鹿峠は行きと帰りで車線が分離されており、同じ道を走ることはまずない。少し残念。
 四時ごろに滋賀の甲賀はあいの土山につく。ここの茶そばが絶品なのだ。薄めの出汁にワサビを入れて食べるかけそばなのだが、以外に暖かいスープにわさびが合う。それこそ、わさび茶づけみたいな味……というには、少々出汁が効いているが、本当にこれがおいしいのだ。これが再び食べたくなって、俺は今回滋賀に旅に来たといっても過言ではない。いや、過言なのだが。
 ライブ配信を見た人なら分かると思うが。見ての通りあいの土山は定休日。隣で騒いでいる人がいて初めて気がついた。どういう目をしとるのだ私は。しかし、道の駅のくせして意外と愛されているあいの土山。実のことを言うと、こっち方面に旅する時にこの駅によらないという選択肢はないのだ。かなりこの道の駅は癒し成分が高い。なのでやっていないと知ったときのがっかりかんは異常だった。せめて茶そばだけでも食えないかとあたりを探したが、それらしいお食事所は見当たらない。前に読んだ雑誌ではあると書いてあった気がするが、しぶしぶ断念する。
 それでもうやることもないので田村麻呂神社にやっつけにいく。といいつつ実はこの神社も好きだったりする。田村麻呂神社という名前がいい、実に強そうでご利益がありそうだ。実に五年ぶりくらいに行くことになったのだが、久しぶりに見ると実に立派な社だった。ここで本格的にQikを使った中継をすることになるのだが、あやしく思われたのかカメラ片手に社の前まで行くと、神主らしき方に扉を閉められてしまった。ショック。ショックで参拝の方法も忘れててんやわんや。二礼二拍手一礼が二拍手二礼一礼になる。ダブルショック!!
 そんな感じでとりあえず田村神社を後にして、目指すは彦根・長浜なのだけれど、今私がいるのは近江八幡。まぁいろいろと紆余屈折というやつがあったのですが、それを書くにはちょっと眠気がひどいのと腕が痛いのできょうはこの辺にて。続きはまた明日の朝にでも。