しかし競争概念がそこに介入すると、そんなのんきはいってられなくなる


 こと日本は競争によって抜き出てきた国だから、単純な労働力に対する敬意が低いのはしかたないか。
 実際、グローバルに企業を展開するためには、そんな悠長なことは言ってられないのかもしれない。
 見極められるといいんだろうがね。そういう連綿たる技術の積み重ねによって発揮される仕事と、閃きと行動力と気運が微妙に左右する仕事を。いや、見極めてそれを子会社化したのがそもそもの間違いなのか? すると、この不況の原因は後者の人材の過多にあるのか。それとも前者の人材の不足にあるのか。はたまた、後者のパワーがあまりに強大化しているというだけなのだろうか。
 まず後者の力は強くなっているように私には思える。なので、この不況を脱出させるのに必要なのは、前者の人間達の生活水準をあげて地位を確保するしかないんじゃなかろうか。もしくは、完全に前者を後者にシフトさせて、前者にしかなれない人材を海外に難民として放出するか……。恐らく、コスト的なことを考えると後者の考え方が今後主流になるのだろうが。怖い話だ。それが世界全体すみずみまでいきわたったら、今度はいったいどうやってその差を埋めるのだろう。早い段階で、なんとかそういう人たちの価値を高めておくことは必要なんじゃないだろうか。あるいは、宇宙産業に放り出す何てのも俺は手だと思うんだが。そもそも、宇宙なんて本当にあるのかと、最近は馬鹿みたいなことを思っている。だって、二十世紀になったのに、いっこうに火星や月への移住計画が進んでないじゃないか!!