2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

小屋の四隅、世界の四隅

眠ってはいけない、眠ってはいけなかったのに、どうやらいつのまにか僕は眠っていたようだ。 僕は鈍く痛む頭を揺らして起き上がるとカーテンを開けた。窓からは昨日と代わらないまぶしい朝日が差し込んできた。窓下に広がる雪の照り返しによって考量をました…

殺人野球軍 第五話

仲間たちの屍を乗り越えて、ついに俺たちは決勝戦を迎える事になった。しかし、俺たちがそうであるように、決勝戦まで数々の死合を勝ち抜いてきた相手は、一筋縄で倒せる相手ではなかった……。 「ばっ、馬鹿な……。俺の「顔面投手返し」が効かないだと!?」 …

殺人野球軍 第四話

二回戦はあっけないくらいにあっけなかった。 「ふはははっ! 我等、伊賀ニンニン高校野球部にござる! 分身の術で九人に分かれた拙者のどれが本物か分かるかな!?」 「知れたこと。そんなのはピッチャーとして俺の前に立っている、貴様だーっ!!」 「ぐは…

殺人野球軍 第三話

甲子園は一回戦からして死闘だった。命がけの闘いの連続だった。 「なっ、なんだお前たちは! なぜ、グローブじゃなくてバットを持って守備につく!?」 「ふっふっふ、俺たち貧乏坂高校パッチワーク野球軍は人数分のバットは買えても、人数分のグローブを買…

殺人野球軍 第ニ話

元々捕手だった俺が投手へとコンバートするのには思いのほか時間がかかった。かかったが、なんとか地区予選に間に合った。 俺達は林の死を乗り越え強く成長した。俺は捕手から投手に代わり、遊撃手の大飼が代わって捕手になった。チーム力は林が生きていた頃…

殺人野球軍 第一話

ついに開発してしまった。たった一人で甲子園まで、いや甲子園もを勝ち抜く必殺技を……。 マウンドに大の字で倒れる我が校のエース。その顔にめり込んだ白球が風に吹かれてぽろりと外れた。 生まれてこの方野球に人生を捧げてきた俺は三年生となった今年、人…